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2007年01月21日(日) 03時02分

納豆データ捏造、「ひどすぎる」消費者が関テレに怒り読売新聞

 実験データや写真、研究者のコメントまで、ほとんどがでたらめだった——。20日明らかになった関西テレビの人気情報番組「発掘!あるある大事典2」のねつ造問題。今月7日に放映された納豆のダイエット効果を巡る番組で、同局は数々のでっち上げの事実を公表し、謝罪した。

 「信用していたのに許せない」「納豆の効用さえも疑われかねない」。放送後の〈納豆狂騒曲〉に踊らされた形のメーカーや小売店、消費者らから、怒りの声が相次いだ。

 「視聴者の信頼を裏切り、誠に申し訳ない」

 関西テレビは大阪市内のホテルでこの日午後5時半から記者会見。千草宗一郎社長は硬い表情を浮かべ、深々と頭を下げた。

 同局によると、12日に週刊誌から、「7日の放送の中で事実と異なる部分があるのではないか」との指摘があり、さらに18日、同じ週刊誌から、より具体的な質問事項が届いたため、制作を委託した会社に聞き取り調査を行ったところ、ねつ造がわかったという。

 「どんな体制をとれば不祥事の再発を防げるのか。有識者を含めて作る調査委員会で考えたい」

 千草社長は釈明するが、会見で、「他の回の番組でもねつ造はないのか」などの厳しい質問が飛び、千草社長は「十分に調査したい」と答えるのがやっと。

 10種類の商品をそろえる大阪市北区の阪神百貨店。納豆を買いに訪れた同市福島区の主婦(38)は「子どもたちと毎日食べるようになったのに、ひどい」と憤った。帰宅途中に売り場に立ち寄った奈良市の会社員大森稔寛(としひろ)さん(26)は「不二家の消費期限表示などが問題になっており、食の正確な情報が求められている。大問題だ」と話した。

 広島市中区のスーパーで買い物をしていた同区内のアルバイトの女性(19)はダイエット効果を信じて食べ始めたといい、「納豆が嫌いだけど、効果があるというから買いだめしてしまった。番組はうそをつくな」と怒り心頭。

 一方、岡山県津山市の納豆製造業「蒜山(ひるぜん)食品加工」の松尾克己社長(60)は「納豆自体の価値に何ら問題ないが、消費者の納豆離れが起きないか心配」と不安を口に。

 1950年から納豆を製造している三重県松阪市、「奥野食品」の奥野タツ子会長(61)は「やせるかどうかは別として、テレビに取り上げられたことで普段は食べない人も口にしてもらい、うれしかった。ブームが一過性に終わらなければいいのに」と残念そうだった。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070121it01.htm