取引銀行幹部は「当面の資金繰りは問題ない」と話す一方、不動産や保有株の売却は避けられないとの見方を示す。営業立て直しが遅れれば、関連会社の株式や一部事業の売却を迫られる場面も出てきそうだ。
不二家は1910年創業の老舗で、好立地の不動産を持っている。売却対象として有力視されるのは東京・銀座7丁目にある本社だ。財務書類上の資産価値は、土地に関して50年と78年の取得時点の価格を計上しているため7億円にとどまるが、時価では数十億円以上とみられる。
銀行関係者も「本社を銀座に置く必然性はなく、工場内でもいい」と指摘、売却の有力候補とみる。
不二家は銀座6丁目にも直営店の入った商業ビルを保有する。さらに森永製菓やアサツーディ・ケイの株式など計54億円相当の投資有価証券を持っており、これらも売却の検討対象となる見通し。
不二家が米国企業と合弁でつくったアイスクリームチェーンの「B−Rサーティワンアイスクリーム」に注目する業界関係者も多い。大手菓子メーカー幹部は「ブランド力が魅力」と関心を寄せる。不二家は株式の43・3%を保有しており、全株売却すれば19日の時価換算で約105億円を得る計算だ。
http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20070120/mng_____kei_____000.shtml