納豆のダイエット効果をうたった「発掘!あるある大事典2」=7日放送の関西テレビから
大阪市内のホテルで開かれた緊急の記者会見。関西テレビの千草宗一郎社長が「捏造」を認めたのは、開始から約20分後、再三にわたって問いつめられた末だった。
千草社長は会見冒頭、「視聴者の皆様の信頼を裏切ることとなり誠に申し訳ない」と深々と頭を下げた。だが、その後は「番組内容に事実と異なる内容が含まれていた」と繰り返すだけで、報道陣との間で押し問答が続いた。
「番組内容を取り消さないのか」と問われると、千草社長は表情をこわばらせながら「納豆のダイエット効果は学説で裏付けられている。番組の根幹部分で違っていたかは調査中だ」と説明するにとどまった。
さらに「架空のデータや無関係の写真を使っており明らかに捏造ではないか」と問われ、千草社長はようやく「個々のデータについては捏造があった」と述べた。
それでも千草社長は、番組全体を捏造だと認めることには、抵抗を続けた。会見終了間際にも「(捏造を)認めていないわけではない。データ的にはそうだったと認識している」と繰り返し、「番組全体では私たちは事実に基づいてやっているわけだが、信頼感をなくしたことは事実で、深く反省したい」と答えるにとどまった。
96年10月にスタートした「あるある大事典」は視聴率が毎回10%を超える人気番組。ビデオリサーチによると、問題の放送があった7日は関東地区で14.5%を記録し、正月の特別番組が目白押しだった1〜7日でも「教育・教養・実用」で6位を記録した。
だが、同番組をめぐっては、これまでも番組で紹介されたダイエットや健康法について「うそではないか」「実験データが疑わしい」などの指摘があった。疑問を呈する書籍が発行されたり、インターネットの掲示板などでも「効果がなかった」などの書き込みが相次いだりしている。
これに対し、関西テレビ広報部は「過去の指摘や苦情については調べないと分からない」とした。
関西テレビは20日夕、インターネットのホームページに「視聴者の皆様へ」と題したお詫(わ)びを掲載。「信頼を裏切ることとなり誠に申し訳ございません」としたうえで、事実と異なる内容を列記している。