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2007年01月19日(金) 00時00分

『摂理』を強制捜査 女性幹部の入管法違反容疑 教団施設など 東京新聞

 千葉県警は十八日夜、宗教団体「摂理」の韓国人女性幹部(44)が日本での在留資格を不正に取得し、布教活動をしていた疑いが強まったとして、入管難民法違反の疑いで、千葉市中央区内の教団施設など関連先を捜索した。同教団に対する国内での強制捜査は初めて。

 同教団をめぐっては、鄭明析(チョン・ミョンソク)教祖(61)=強姦(ごうかん)容疑で韓国警察当局が国際手配、逃走中=から女性信者らが性的暴行を受けたとされる問題が浮上。東京の弁護士らが昨年、教団の女性幹部らに対し入管難民法違反(資格外活動)などの疑いで同県警に告発状を提出していた。

 調べでは、女性幹部は一九九九年ごろから、教団の日本での最高責任者の一人とされ、日本企業にデザイン企画担当者として雇用されたように装い二〇〇〇年三月、「技術」の在留資格を不正取得し、実際には資格外の宗教活動などを行っていた疑いが持たれている。

 告発状によると、女性幹部は鄭教祖の潜伏先に女性信者を送り込み、教祖の性的暴行を手助けした疑いも持たれている。在留資格申請の際、雇用したように装う虚偽の書類を作成したとして、企業の社長(当時)ら二人も入管難民法違反ほう助の疑いで告発されている。

 女性幹部は八八年に来日。千葉大などで学生らの勧誘を行っていた。摂理の信者であることを隠してサークルへ勧誘する方法で信者を増やしていたとみられる。千葉市の施設は鄭教祖が来日した際の活動拠点として使われたとされる。

 捜索を受けた教団施設は千葉市中央区の住宅街にある一戸建て住宅。十八日午後十時ごろ、県警の捜査員約十人が捜索を始め、十九日未明、関係資料を押収して終了した。

<メモ>摂理 世界基督教統一神霊協会(統一教会)を脱会した韓国人の鄭明析教祖が、1980年ごろに設立した宗教集団。聖書を独自に解釈した「30講論」と呼ばれる教義を持ち、その中で鄭教祖は救世主(メシア)とされる。

 韓国や日本、台湾などに拠点があり、教祖による女性信者への性的暴行疑惑が各地で表面化した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070119/mng_____sya_____009.shtml