「これが最後ではない。適宜報告を求め、立ち入りを続ける。洗いざらい、すべて調べさせていただく」
19日、埼玉工場(新座市)への2回目の立ち入り検査の結果を発表した埼玉県の細川修生活衛生課長は強調した。
県は同社の対応に不信感を持つ。1回目の検査で、同工場が「ない」と回答していた食品衛生のマニュアルを、2度目の検査で「勘違いだった」と提出。また、本社が99年ごろから不適切な食品製造をしていたと発表したのに、16日に同工場が県に出した報告書は、昨年6月以降の4品目16件に言及しただけだった。
大阪府は11日から泉佐野工場(泉佐野市)に立ち入り調査を始めたが、05年にシュークリームの消費期限の表示を1日増やしていたことを不二家側が話したのは、3度目の調査の18日。工場長の指示で1日延ばしていたことや本社も黙認したことも、府の調査で判明した。
不二家は自治体などの調査について「誠実に対応しているつもりだ」(人事総務部)という。「生産対策委員会」が自主調査を進め、埼玉、札幌工場は終えた。残る洋菓子3工場などの調査については、終了のめどは立たないという。
■新たに分かった不二家製品の問題■
●95年に泉佐野工場で製造した洋菓子を食べた9人が食中毒症状、営業停止処分。大阪府の内規に基づき保健所は未公表。不二家も公表せず。
●泉佐野工場で05年にシュークリームの消費期限を社内基準より1日長く表示。また、同工場で製造したプリンを埼玉工場に移して消費期限を印字することが常態化、本社も了承。
●札幌工場で昨年6月に製造したシュークリームの検査のうち1件で、段階を踏んで細菌数を数えられるまで検査せず途中で打ち切り、細菌数を「無限」と記録。
●埼玉工場で消費期限切れのリンゴ加工品の使用が公表された5件以外に、今月製造分で1件確認される。また、同工場内の手洗い場の数が不十分だったことも判明。
(15日に不二家が中間報告した後、判明した分)
http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200701190374.html