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2007年01月19日(金) 14時34分

不二家札幌工場、細菌数確認せず出荷…「無限」記録も読売新聞

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)が、国の基準を超える細菌が検出された洋菓子を出荷していた問題で、同社札幌工場(札幌市)では、検出された細菌数をきちんと記録しないまま出荷したケースが13件あったことが19日、札幌市保健所の調査で分かった。

 同工場では検査で細菌数が不明の場合、「無限」と記録していた。同市では、「どういう意味か分からず、あまりにも不適切な記録方法」として改善を指導した。

 札幌市保健所が、札幌工場で昨年1年間に実施した356検体の検査結果を調べたところ、検出細菌数が「無限」とだけ記され、具体的な数値の記載がない例が3件判明。検査ミスでデータがない例も10件あり、計13件が、1グラム当たりの細菌数が10万個以下という国の基準を満たしているかどうか不明のまま、出荷されていた。

 また、不二家本社は15日の記者会見で、札幌工場では国の基準の10倍を超える細菌数が検出された洋菓子が、昨年中に6件出荷されたと説明していた。しかし、同保健所の調査では10倍を超えた例はなく、国の基準を超えたケースが1件あっただけで、不二家のずさんな情報管理が改めて浮き彫りになった。

 さらに、検査方法も、国の指導ではシャーレを2枚使って細菌を培養し、その平均値で結果を確認することになっているが、同工場では1枚のシャーレだけで判断していた。

 こうした検査実態について、同保健所では「検査結果を『無限』とだけ記すような例は聞いたことがない。検査体制も不十分だった」と指摘している。

 保健所の調査と会見での発表内容が食い違っていることに対し、不二家では「会見での説明が不十分だったかもしれない。現在、調査している」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070119i107.htm