NHKは新年度、新たな受信契約者などが二十万件増え、支払い再開件数も三十二万件増と推測している。
こうした強気の見通しを立てるのも、最近、受信料収入が回復傾向にあるからだ。NHKは昨年十一月、受信料を滞納している東京都内の三十三世帯について、東京簡易裁判所に支払い督促の申し立てを行った。そのアピール効果は大きかったようで、昨年十、十一月の支払再開件数は八万八千件に達し、前期(8、9月)の三万八千件を大きく上回っている。
総務省は二十五日召集の通常国会に、受信料の支払いを視聴者に義務づけることを盛り込んだ放送法改正案を提出する方針。また、NHKは受信料の未契約者を対象に訴訟を起こすことも検討している。
NHKは、こうした「強制措置」で不払い者に対する圧力は一段と強まり、受信料収入は確実に増えると見ているようだ。
一方、新年度予算案の事業支出では、事業運営費(主なものは国際放送費)と国内放送費を増額している。
国際放送については、英語番組を増やすなど強化する方針。政府・与党は国際放送強化を念頭に置いており、NHK側もこうした意向に配慮したとみられる。
注目すべきはNHKのテレビ国際放送費について、総務省が初めて交付金三億円を拠出したことだ。政府が費用負担したことで、これまでラジオ国際放送だけで可能だった政府の「命令放送」が、テレビ国際放送でも可能になった。このほか事業の重点項目として、(1)総合テレビの午後十、十一時台を充実させ、団塊世代向け番組などを編成(2)二〇〇九年に放送開始五十周年を迎える教育テレビの再構築を推進(3)ケーブルテレビ事業者や引っ越し会社などによる契約取り次ぎなど、受信料徴収活動の強化(4)受信料支払者を対象にした「インターネット会員サービス」の開始——などを挙げている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20070118/mng_____hog_____000.shtml