母親が元夫との離婚成立前に出産、出生届を出していないため戸籍がない滋賀県内の高校1年の女子生徒(16)がパスポート発行を申請したが、滋賀県パスポートセンターは17日までに「旅券法が定める必要書類の戸籍抄本がない」として発給を見送り、抄本を提出するよう通知した。
生徒は、元夫から暴力を受けた母親が家を出た後、離婚成立前に別の男性との間に誕生。その後、離婚が成立したが、民法の規定では生徒は元夫の子と推定される。元夫との親子関係を否定する手続きを取ると、元夫に現住所などが知られる恐れがあり、出生届が出せなかったという。
生徒は6月に学校の修学旅行で海外に行くため、1月4日に戸籍抄本がないまま、住民票や生徒手帳のコピーを添えてパスポートを申請した。
県は「旅券発給は国の法定受託事務で、外務省と協議する」として申請を保留していたが、外務省は「戸籍がなければ発給はできない」との見解を示したという。
ZAKZAK 2007/01/17