通知漏れがあったのは、社保庁が運営し中小企業の従業員が加入する政府管掌保険(1916万人)と船員保険(6万人)。外部から指摘を受け昨年から調べていた。通知漏れ件数が最も多かったのは、通知した事実がないのに本庁に「通知した」と虚偽報告していた神奈川で1541件。ほかに虚偽報告していたのは愛知(750件)、埼玉(749件)、鳥取(151件)、山形(115件)の各県。通知漏れ自体は法令違反に当たらないが、同庁は虚偽報告をしていたことを重く見て、この5県の関係職員を近く処分する方針。
また多くの社保事務局では、過払いを通知する対象者を、患者の自己負担が一定額を超えた場合に超過分が返還される高額療養費・医療費制度の利用者に限定していた。厚生労働省は、過払い分が1カ月で1万円を超えた患者に通知するように指導しており、この基準で改めて調べたところ、大阪(1128件)、北海道(757件)、東京(692件)などでも通知漏れが見つかった。
市町村が運営する国民健康保険でも、04年度の調査で約4割の自治体が通知を実施していなかった。大企業の社員らが入る健康保険組合でも通知漏れが起きているため、厚労省は通知を徹底するように呼びかけている。