大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)の埼玉工場(埼玉県新座市)で、シフォンケーキやスイートポテトなど8品目でも、消費・賞味期限切れの原料が使用されていたことが新たにわかった。
期限切れの原料を使用した商品は、これで10品目になった。また、同社は、昨秋の社内調査で問題を把握しながら公表しなかったことについて「改善策に追われていた」と説明していたが、不正な製造が今月5日に行われていたことも判明。実際には改善策が徹底されていなかった実態が浮かび上がった。
同社は11日、埼玉工場で消費・賞味期限切れの原料を使用してシュークリームとアップルパイを製造したことを公表。15日には、新たに、消費期限切れの牛乳などの使用が15件、賞味期限を過ぎたブルーベリージャムなどの使用が3件確認されたと発表したが、この計18件については、「期限切れの原料が、どのような商品に使われたのかは不明」としていた。
同社は、埼玉工場従業員への聞き取り調査の結果を精査し、うち12件で商品名を新たに特定した。しかし残る6件については、聞き取りの際に商品名を確認しておらず、ずさんさも浮き彫りとなった。
また、同工場で、2004年6月から06年10月までの間、プリンやシュークリームの消費期限を社内基準より1日長く表示していた問題では、この間の3代にわたる工場長が、いずれもこの事実を認識していたことが判明した。