米国製ファイル交換ソフト「ライムワイヤー」を悪用し、青森県内の男性の都市銀行口座から現金約30万円を不正に送金したとして、県警生活環境課と三沢署は来週前半にも、埼玉県川口市、無職冨永貢被告(34)(不正アクセス禁止法違反などの罪で公判中)を電子計算機使用詐欺などの容疑で逮捕することを決めた。冨永被告は、銀行のインターネットバンキングサービスを利用するための男性のIDやパスワードをネット上で入手し、それを使って不正送金していた。
調べによると、冨永被告は、ライムワイヤーを使って男性のパスワードなどをネット上で入手。これを使い、2006年3月ごろに男性の口座から約30万円を勝手に別の口座に送金した疑い。
冨永被告は、別の地方銀行の同サービスを利用していた長野県内の男性の口座から現金約95万円を共犯の男の口座に不正送金したとして、06年6月、長野県警に逮捕され、起訴された。その後、栃木県真岡市の男性会社員の口座にも不正にアクセスし、約1000万円を不正に送金するなどして、起訴されている。
長野県警が押収した冨永被告のパソコンからは、青森県内の被害男性のIDやパスワードが見つかっている。
ライムワイヤーは、官公庁などの情報流出で全国的に話題となった「ウィニー」と同様、インターネットを通じて文書や映像、音楽などをやりとりするファイル交換ソフトの一種。このソフトは初期設定を誤ると、公開したくない情報も不特定多数に公開されてしまうという。
ネットワークセキュリティーを専門とした「ネットエージェント」(東京都墨田区)によると、ウィニーほど利用者は多くないが、ウィニーを使えないマッキントッシュ社のコンピューターでも使用できるという。