大阪高裁に入る三井環被告=15日午前10時9分、大阪市北区で
三井被告は「検察の調査活動費(調活費)の流用疑惑を公表しようとしたことへの口封じのための逮捕、起訴だった」と無罪を主張していた。
若原裁判長は、被告が高知、高松両地検で次席検事だった頃に直接体験した限度で、調活費の不正流用があったと認定。「被告が調活費の実態を生々しく語ることで、検察庁が威信を失墜させることになりかねないと憂慮していたと推認されるが、犯罪の嫌疑があれば粛々と捜査を進めるほかない」と述べた。
一方で、検察庁幹部の私的な飲食費や遊興費などに調活費が流用されたとする疑惑が表面化した99年度以降、調活費が大幅に減額していることを挙げ、「調活費の本来の目的、必要性には疑問が生じる」と指摘した。
判決によると、三井被告は01年6〜7月、検察官の職務に関連していると認識しながら、元暴力団組員(44)=贈賄罪で懲役5カ月の実刑確定=から大阪、神戸両市内のクラブやホテルなどで5回にわたり、計約22万円相当の飲食などの接待を受けたほか、元組員から頼まれ、別の組員の前科調書を部下に命じて入手するなどした。
http://www.asahi.com/national/update/0115/OSK200701150012.html