県庁で午前11時から開かれた会議では、県畜産協会やJA宮崎中央会、大規模養鶏場の関係者40人を前に、井好(いよし)利郎・畜産課長が「被害を最小限に食い止めるため、消毒体制を徹底し、鶏に異常が見られたら、すぐに通報してほしい」と要請した。
担当者が、問題となっている養鶏場の現状や、野鳥が鶏舎に入れないようにする措置を説明。出席者からは「風評被害が怖い。県は情報提供をしっかりしてほしい」「消毒をもっと強化しなくていいのか」と、意見が相次いだ。
午後からは、知事職務代理者の坂佳代子・副知事ら県幹部による対策連絡会議を開催。坂副知事を本部長とする対策本部の設置を決めた。
関係業者の間では、イメージダウンによる影響の広がりを心配する声が強い。
清武町内で3000羽を飼養している養鶏業者(54)は「同じ町内というより県産の鶏肉すべてに影響が出るのではないか。12日から県の自粛要請を受けて出荷はしていない」と話した。
宮崎市南部の養鶏会社は12日から販売を自粛した。「取引先から問い合わせが相次いでいる。卵や肉を食べても感染しないことは報告されているのに、心配する声が強い。宮崎は地鶏やチキン南蛮の名産地なのにイメージが大きく傷つく。風評被害の拡大は避けられそうにない」とため息をついた。
採卵農家約30戸でつくる県養鶏農協(柳田温清組合長)も、組合員から「自分のところは移動自粛の区域に該当するのか」「本当に鳥インフルエンザが発生したのか」などと問い合わせが続いている。
同農協の高橋健参事は「消費者からすれば、鶏卵も鶏肉も、同じ鶏であることに変わりはない。風評被害が心配だ。鶏の移動制限は大打撃を受ける。支援策も検討してほしい」と苦境を訴えた。
また、問題の農場近くに住む日高金男さん(78)は「ニュースで知り、まさかと思って外に出たら役場の職員が交通規制をしていたので驚いた。人への感染はないというが、どう気をつければいいのかわからない」と不安そうな表情を浮かべた。