神奈川県警高速隊の調べでは、十一日午後五時半ごろ、川崎市宮前区平五の東名高速下り線長尾高架橋(長さ三百四十メートル)で、片側三車線の中央を時速約八十キロで走っていた千葉県市川市の会社員の男性(57)が運転する軽自動車がジョイント部分の段差に乗り上げ横転。助手席の同僚の男性(46)が腰に軽傷を負った。運転の男性は「突然ハンドルを取られ、戻そうとしたら横転した」と説明しているという。
中日本高速道路によると、長さ一メートル、幅二十センチ、厚さ三センチのジョイント一枚が破損して外れ、現場から約二十メートル先に落ちていた。約一時間前の巡回の際は異常はなかったという。
ジョイントは、温度変化によるコンクリートの伸縮を吸収する装置。くし形の二枚が組み合わされ、橋りょうに埋め込まれる形で設置される。
今回は、埋め込まれた部分と上部との溶接部分が折れていたという。このジョイントは一九六八年の開通時から取り替えられておらず、昨年十月の集中工事の際も、異常が認められないとして交換対象にならなかった。
中日本高速道路は「原因は調査中だが、老朽化も可能性の一つとして調べる」(横浜支社広報)と話している。
中日本高速道路が管理する高速道路や有料道路は二十路線、総延長千六百九十三キロ。同型のジョイントはこのうち、建設時期が比較的古い路線で使われている。点検は、保全担当者が路肩から目視したり、揺れや音の異常を確認したりする。
同社によると、二〇〇〇年十一月に静岡県富士市の東名高速道路で同型のジョイントが外れ、緊急点検した記録がある。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070113/mng_____sya_____011.shtml