新年のあいさつを装ったウイルス付きの電子メールが昨年末、世界中で大量に出回っていたことがわかった。
メールの件名は「Happy New Year!」などとなっており、メールに添付されたファイルをクリックするとウイルスに感染する。
複数のウイルス対策企業が確認した。英国のセキュリティー対策大手「ソフォス」の日本法人によると、昨年12月30日夜から31日にかけ、一時、ネットワーク上で確認された不正メールの9割以上が、年賀を装ったメールで占められたという。
一方、ウイルス対策会社「シマンテック」(東京・港区)によると、欧州や米国などで少なくとも4900件のメール受信が確認された。同社は、「日本も含め、世界中でウイルス感染被害が出ている可能性が高い」と指摘している。
このメールに添付されてくるファイルの名前は、「postcard.exe」(はがき)や「Greeting Card.exe」(あいさつ状)など。ファイルをクリックすると自動的に感染する。
ウイルス対策会社「トレンドマイクロ」(東京・渋谷区)によると、感染するとウイルス駆除ソフトが停止したり、パソコン内の電子メールアドレスが外部に流出したりする。今のところ、具体的な被害は確認されていないという。
ソフォス日本法人の牛込秀樹・営業企画本部長は、「不審なメールは開かず、駆除ソフトを頻繁に更新することが必要」と呼びかけている。