同課や関係者によると、佐藤容疑者らは、以前キャッチセールスで高級商品を買わされた経験のある女性を狙い、「絵を買って(ホテルなどに)貸し出せば、前に損した分を取り返せる」などと持ち掛けていたが、その際、同容疑者が実質経営していた絵画販売会社「アートクラシックス」の女性勧誘員らは、マニュアルに従って、実体のない関連絵画レンタル請負会社「JRS」や「MCS」の名前を使い、勧誘していた。
勧誘相手との面談では、スーツ姿で法律関係の本を携え、キャッチセールスで被害にあった人たちを救済する団体やNPO法人の関係者であると偽ったり、「政府の仕事をしています」と語ったりしたという。
昨年三月ごろ、絵画購入者が受け取る「レンタル料」を支払えなくなると、レンタル会社の名前で「怪文書が出回った影響で、レンタル事業を一度整理しなければならなくなった」と偽った文書を購入者に送付。契約時に「ホテルにそのまま貸す」などとして購入者には渡していなかった絵画を“返却”していた。こうした絵画は実際にはほとんど価値のないものだったとされる。
アート社は、絵画購入者からだまし取った四億円のうち、約九千四百万円を「レンタル料」として購入者に返還し、信用させていた。しかし、勧誘員への報酬などを除く、約一億三千万円の使途が分かっていない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070112/eve_____sya_____007.shtml