民主党の鳩山由紀夫幹事長は十日、松岡氏の事務所費問題について記者団に「実際はカネのかからない事務所なのに多額のカネが出し入れされていたとすれば、勘ぐらざるを得ない。(疑惑が事実なら)閣僚の職務遂行は難しくなる」と指摘。「こんな不祥事続きではますます安倍首相の資格が問われる」と首相の任命責任にも言及した。
社民党の福島瑞穂党首も記者会見で「『おごりの自民党』の末期症状が出ている。事務所費がもし架空の計上であれば政治資金規正法違反。閣僚を辞任すべきだ」と批判した。
野党側にとっては、本間正明前政府税制調査会長の官舎入居問題以降、次から次へと続く「敵失」。通常国会を控えた絶好のタイミングで、安倍政権追及の新たな材料が転がり込んできた形だ。
同国会では、政治とカネの問題に関して首相の消極的な答弁を引き出し、夏の参院選での躍進につなげたいもくろみだ。
ただ、野党側には、昨秋の臨時国会で、麻生太郎外相の核保有論議容認発言などを追及しきれなかった苦い経験がある。またも追及材料がそろった通常国会では、真価が問われる。
(高山晶一)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20070111/mng_____sei_____004.shtml