愛知県春日井市で昨年2月、乗用車を飲酒運転したうえ、赤信号を無視してタクシーと衝突し、運転手や乗客ら4人を死亡させ、2人に重軽傷を負わせたとして、危険運転致死傷罪などに問われた同市、会社員桑山健被告(27)の判決が11日、名古屋地裁であった。
伊藤納裁判長は「(桑山被告が)交差点の信号は青信号だと思い込んでいた可能性があり、赤信号をことさらに無視したとはいえない」として同罪ではなく、業務上過失致死傷罪で懲役6年(求刑・懲役20年)を言い渡した。
検察側は「赤信号をことさらに無視し、多数の命を奪った」として、量刑の重い危険運転致死傷罪の適用を主張。弁護側は「赤信号を青信号に見間違えた過失による事故で、業務上過失致死傷罪にとどまる」と争っていた。
桑山被告は、危険運転致死傷罪で審理され、結審したが、判決言い渡し予定だった昨年10月13日、伊藤裁判長が弁論再開を決め、検察側に、業務上過失致死傷罪を予備的に訴因に追加するよう命じた。
名古屋地検は「判決内容を見た上、控訴するかどうか検討する」とのコメントを出した。