文部科学省は、従来のいじめの定義に盛り込まれていた「一方的」「継続的」「深刻」などの条件を見直す方針を決めた。
学校現場から「厳格すぎる」などの声があがっていたためで、これらの文言の削除を検討する。また、調査の際に、いじめの例として挙げていた「言葉での脅し」や「仲間はずれ」などの9項目に、「インターネットや携帯電話での誹謗(ひぼう)中傷」を加えることも検討する。
現行のいじめの定義は、〈1〉自分より弱い者に対して一方的に〈2〉身体的・心理的な攻撃を継続的に加え〈3〉相手が深刻な苦痛を感じている——というもの。
しかし、「一方的」「継続的」「深刻」などのとらえ方が自治体によって様々で、いじめの調査結果が実態を把握していないという批判が出ていた。
文科省は遅くとも今年3月までに新しい定義をつくり、2006年度分から新定義で調査を実施する。また、調査対象もこれまでの公立の小中高校から国立・私立にも広げるという。