柴田さんらの呼びかけに協力するのは、兵庫県姫路市から本巣市根尾に移り住んで唱歌や童謡を広める活動をしている唄(うた)つむぎ和音(かずね)さん(52)=本名・中村和子さん=と、兵庫県西宮市、パステル画家西村季子(ひでこ)さん(63)。
唄つむぎさんは震災直後、がれきの下に埋もれた子どもが眠って凍死しないよう、母親が8時間も「赤とんぼ」などの童謡を歌い続けたという新聞記事を読み、「歌を通じて人に元気を与え、自分も生きる力を持ちたい」と歌い始めた。
西村さんは震災直後、地震でひび割れた自宅前の道路の上に和紙を置いて、拓本をとるようにして「地震のつめ跡」を写し取り、その和紙に子どもを亡くした母親たちの祈る姿など描いてきた。
企画展では、唄つむぎさんが、被災地に住んでいたシンガー・ソングライター、高田マミさん作詞作曲の「絹の雨」など数曲を独唱する。西村さんは、震災をテーマにして、泣きながら描いたという3部作の「大地よ」を展示する。