伊藤裁判長は「信号の確認を怠った過失は非常に重く、運転者の自覚にかける。遺族の悲しみは深く、怒りは激しい」と量刑理由を述べる一方、「青信号に従ったつもりで信号を無視したとはいえない」と故意ではなかったとした。
検察側は昨年9月、危険運転罪(最長懲役20年)の要件の一つである「赤信号をことさらに無視する」行為があったとして求刑した。しかし、伊藤裁判長は「証拠が足りない」として同10月の判決を延期。同罪を認定しない場合の予備的訴因を検察側に命令し、「赤信号を見落とした」とする業過致死傷罪(同5年)が追加されていた。
桑山被告は、道路交通法違反(酒気帯び)の罪にも問われており、予備的訴因を認めた際の量刑は合わせて最長で懲役6年となっていた。
判決によると、桑山被告は昨年2月25日午前1時ごろ、同市味美白山町2丁目の国道302号を酒気を帯びた状態で走行。赤信号を見落としたうえ、制限速度の50キロを超える時速70〜80キロで交差点に進入し、タクシーと出合い頭に衝突した。この事故で、タクシーの運転手と乗客の自衛官3人を死亡させ、乗客の女性らにけがをさせた。
名古屋地検の津熊寅雄次席検事は「危険運転致死傷罪が認められず残念。判決内容を見た上、控訴するかどうか検討する」としている。
http://www.asahi.com/national/update/0111/NGY200701110006.html