「お茶を持ってきて」と手招きすると、エプロンをした人間型ロボットが、ペットボトルのお茶をこぼさずに湯飲みに注ぎ、「お茶をお持ち致します」としずしずと運んでくれる——。
東京大学は10日、人のお手伝いをするロボット「HRP—2」を、報道関係者に公開した。人のしぐさや音声の認識、視覚処理などの技術を駆使して、人の行動に臨機応変に対応する未来の情報システム研究の一環として紹介した。
従来のロボットは歩く方向や動きを、事前に人がすべて決めていたが、お手伝いロボットはソフト面が大きく進歩、前方の障害物を認識して、自分でよけてお茶を運ぶ。後片づけや流し台での食器洗いもこなす。
このロボットは将来、一般家庭で家事や老人介護を支援することを目指している。大学院情報理工学系研究科の稲葉雅幸教授は「人間を安全に運ぶ能力や、洗濯物のような柔らかい物をつかむ手さばき、状況を適切に判断する知能などが必要だ」と話している。