社会の高齢化とともに高齢者による犯罪の急増が指摘される中、刑法犯(交通事故の業務上過失致死傷罪を除く)の検挙者数のうち、65歳以上が占める割合が2005年に初めて1割を超えたことが、警察庁の調べで分かった。
全体の10・9%に当たる4万2108人で、わずか6625人(全体の約2・1%)だった1989年(平成元年)の6倍以上に達したことになる。
人口10万人当たりの検挙者の割合「犯罪者率」も、89年の46人に対し、05年は165人に達した。
こうした事態を受け、警察庁は高齢者犯罪に絞った調査に乗り出した。昨年10月から、全国の警察本部を通して、殺人や強盗、窃盗など六つの容疑で検挙された65歳以上を対象に〈1〉住居〈2〉認知症や介護認定の有無〈3〉アルコール依存の有無——など、犯行時の生活や心身の状況を調べ、3月までに結果を分析、犯罪抑止策を講じる方針だ。