航空運賃は、各国政府が産業保護のため国際カルテルを容認してきた。公取委は、欧州連合(EU)が方針転換し禁止するのにならい価格競争を促す構えだ。ただ、航空会社の経営への影響を危惧(きぐ)する国交省の抵抗も予想され、政府内の調整は難航する可能性がある。
同運賃は世界の航空会社が加盟している国際航空運送協会(IATA)で運賃調整会議を開いて決定。日本では約五十年前に制定された航空法により独禁法の適用からの除外が認められている。
公取委は一九九九年に同様の検討をしたが、国際的に容認されているとの理由から制度の維持が支持された。しかしEUが二〇〇七年十月に違法にすることを決めたほか、オーストラリアも段階的に見直す方針を決めているため、公取委は前回の判断の根拠は崩れたとみている。
IATAで決めた運賃は各社の普通運賃になる。日本では割引運賃が広がっており、実際にチケットの販売価格として適用されるのは少ないが、航空各社はIATAでの決定を基に割引運賃の算定をする。このため、カルテルが禁止された場合、航空運賃の設定に大きな影響が及ぶとみられる。
日本では二十一種のカルテル行為が例外的に認められており運輸部門が圧倒的に多い。公取委は既に外航海運の運賃協定の廃止を提言している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20070107/mng_____kei_____002.shtml