2007年01月07日(日) 08時00分
国交省に防止法適用へ 公取委、水門工事談合で(産経新聞)
国などが発注する治水用水門工事をめぐる談合問題で、公正取引委員会は、国土交通省の課長補佐(57)=当時=が業界メーカー側に落札予定会社を指示するなど受注調整を主導していたとして、近く国交省に官製談合防止法を適用、談合の再発防止策などの改善措置を要求する方針を決めた。談合に関与したメーカー二十数社に対しても独禁法違反(不当な取引制限)で排除勧告し、課徴金の納付を命じるとみられる。
官製談合防止法に基づく改善要請は、北海道岩見沢市、新潟市、旧日本道路公団に行ったのに続き4例目で、省庁では初めてとなる。
関係者によると、元課長補佐は、水門工事を所管する建設施工企画課課長補佐を務めていた平成13年4月から約3年間、各地方整備局が発注する水門工事の入札前に、メーカー側の調整役を務める幹事社の営業担当幹部に対し、落札業者を指示していた疑いが持たれている。
幹事社は石川島播磨重工業(東京都江東区)、三菱重工業(同港区)、日立造船(大阪市)の3社が2年ごとの交代制で務めていた。指示を受けた幹事社が、本命業者や入札に参加する他の指名業者の営業担当幹部に伝え、談合を成立させていたという。
公取委は昨年3月に独禁法違反の疑いで、メーカー三十数社に立ち入り検査を実施。各社の営業担当幹部からも事情を聴き、「談合は発注者側の意向だった」との証言を得ていた。
官製談合防止法では、現職の公務員が業界側に談合させたり、落札業者を指示するなどの行為を禁止しており、発注者に内部調査の実施と関与職員への賠償請求などを義務づけている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070107-00000001-san-pol