不正会計処理問題で揺れている証券大手の日興コーディアルグループは6日、大株主のみずほフィナンシャルグループ(FG)などに対し、追加出資を含めた支援を要請する方向で検討に入った。
大株主の支援によって信用補完を図り、不正会計問題を契機とした顧客離れなどに歯止めをかけたい考えだ。
日興は、追加出資のほか、融資や営業面での支援要請も視野に入れている。みずほ以外に、筆頭株主の米シティグループや、かつて親密な関係にあった三菱UFJフィナンシャル・グループなどへの支援要請も検討する。
みずほなどは、支援要請を受けた場合、再発防止策の実効性や、日興株の上場が維持されるかどうかなどを、慎重に見極めて判断すると見られる。
みずほFGは、傘下のみずほコーポレート銀行が日興株の4・89%(議決権ベース、昨年9月末時点)を保有している。みずほが追加出資に応じれば、シティの4・94%(同)を抜いて筆頭株主となる可能性が高い。
日興は、2005年3月期連結決算の利益を不正に水増ししたため、金子昌資前会長と有村純一前社長が昨年末に引責辞任した。さらに年明け5日には、金融庁から過去最大の課徴金5億円の支払い命令を受けた。
東京証券取引所は日興株を、上場廃止の可能性を投資家に知らせる「監理ポスト」に割り当てている。格付け会社も相次いで日興の格付けを引き下げる方針を表明しており、信用力の回復が急務となっている。