建設現場は大船観音のすぐ近くにあり、計画では約二千五百平方メートルの敷地に、地上九階地下三階建てのマンションを建設する予定。市は敷地入り口の市有地三十三平方メートルを「道路」とみなして、二〇〇五年三月に一度、開発許可を出していた。
しかし、周辺の反対住民が行政不服審査法に基づき、県開発審査会に審査を請求。同審査会は〇五年十二月、市有地を市が主張するような道路とみなすことはできないと判断した上で、「敷地が道路(幅六メートル以上)に接していない」と都市計画法上の不備を指摘し、開発許可を取り消した。
このため事業者は工事を停止するとともに、市有地と既存の市道、敷地の一部を合わせて新しい道路を整備し、開発区域に組み入れるよう計画変更し、市が昨年四月に、あらためて開発を許可していた。
しかし、同審査会は今回の裁決書で、こうした市の許可手続きについて「前裁決で取り消された処分にかかわる補正申請を(市が)再度許可したのは違法」などと結論づけた。
裁決を受けて「大船観音前マンション問題にとりくむ市民会議」(星野芳久代表世話人)は「前回の裁決に続き違法を指摘され、市長の責任は重大。市長は適切な最終着地点を求める努力を」とのコメントを出した。
石渡徳一市長は「審査では誠実かつ真摯(しんし)に弁明したが、審査会の理解が得られず遺憾。裁決書の内容を検討し、事業者の意向を踏まえて対処したい」との談話を発表した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20070106/lcl_____kgw_____001.shtml