福岡市教育委員会は5日、昨年8月に実施した小学校教員採用試験で出題された問題とほぼ同じ内容が記載された予想問題が事前に出回っていたことを明らかにした。同市教委は内部から試験問題が漏えいした可能性が高いと判断、地方公務員法の守秘義務違反の疑いもあるとして調査している。
同市教委によると、漏えいの疑いがあるのは、2次試験の「集団討論」と「模擬指導」の問題。
集団討論では9つ、模擬指導では6つのテーマを用意し受験者に1題ずつ出題した。
出回った予想問題は、受験者を対象にした事前の勉強会で使用されたものらしく、集団討論で出題した9つのテーマのうち「団塊世代大量退職の対策」など7つのテーマを網羅。模擬指導では6つのテーマのうち4つまでが酷似していた。
模擬指導の予想問題ではほかに3つのテーマが書かれていたが、1つは出題されなかった予備のテーマで、残り2つは昨年7月6日に内部の「試験問題検討委員会」で討議した後、出題から外したものだった。
検討委員会に出された資料は市教委会議室の段ボール箱の中に保管し、8月にシュレッダーで処分したが、この資料が漏れた可能性もある。
試験は今春採用する教員を対象としたもので、8月22—24日に実施、1次試験合格者288人が受験した。集団討論ではテーマごとに受験者同士が討論。模擬指導では子どもへの指導を実演した。
ZAKZAK 2007/01/05