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2007年01月05日(金) 01時28分

DV原因で戸籍のない高1女子、旅券発給保留に 滋賀朝日新聞

 母親が前夫の暴力(DV)で離婚できなかったために出生届が出せず、戸籍のない滋賀県内在住の高校1年の女子生徒(16)が4日、修学旅行で海外へ行くため県パスポートセンター(大津市におの浜1丁目)で旅券の発給を申請した。しかし、同センターは「戸籍抄本がない」として申請書類を保留にした。

 女子生徒の母親は、前夫のDVから避難し、その時に助けてくれた男性との間に女子生徒が生まれた。翌年、裁判で離婚が成立したが、民法上、婚姻解消から300日以内に生まれた子は婚姻相手の子とみなされ、男性の姓で提出した出生届は受理されなかった。女子生徒の戸籍をつくるには前夫の協力が必要だが、母親は今も前夫の暴力におびえ、住所を知られたくない状況という。

 この日、女子生徒は両親や支援者らと同センターを訪れ、申請書や戸籍作成の資料にされる病院の出生証明書などを提出した。同センターは「外務省などと対応を協議したい」と書類は受理しなかった。

 支援団体「民法と戸籍を考える女たちの連絡会」(神戸市)は「修学旅行という自ら選択できない事情なのに、親の事情から海外渡航や人権を制限されるのは不当」とし、今後も受理を訴えるという。

http://www.asahi.com/national/update/0105/OSK200701040063.html