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2007年01月03日(水) 03時00分

生保不払い4社で1万件判明、医療特約の給付ミス読売新聞

 大手生命保険4社が死亡保障保険などの保険金の一部を契約者に支払っていなかったことが2日、明らかになった。

 支払い漏れは2001年度からの5年間で計1万件以上に上る模様だ。4社は事務処理上のミスが原因としているが、相次ぐ不払い問題に揺れた損害保険業界に続き、生保でも大規模な支払い漏れが表面化したことで、契約者の保険不信が増幅するのは避けられない情勢だ。

 日本生命保険、第一生命保険、住友生命保険、明治安田生命保険の4社がそれぞれ社内調査し、判明した。契約者が死亡保障保険に入る際に付ける医療特約の保険金で、支払い漏れが多く見つかった。

 手術のための入院で、入院給付金と手術給付金をともに受け取れる契約者に対し、入院給付金だけを支払い、手術給付金については契約者からの請求がなかったとして支払わなかった事例があった。

 また、入院給付金でも、10日分の保険金を支払わなければならない契約者に、請求に基づいて9日分で済ませた事例もある。医療機関への確認が不十分だったためだ。

 4社は06年4月から独自調査を進めており、01〜05年度に保険金を支払い済みの死亡保障保険などで、支払い漏れがないかどうかを洗い出している。今年3月末までに調査を完了させ結果を公表する方針だ。

 対象となる保険の件数は、05年度だけで計約200万件あり、01年度からの5年間では1000万件を超えると推計されている。これまでに把握できた支払い漏れは1万件程度に達した模様で、さらに拡大する可能性がある。4社以外にも、同様の支払い漏れがあるとみられる。

 生保の保険金不払い問題では、約1000件の不払いが発覚した明治安田生命が05年2月と10月の2度にわたって金融庁から業務停止命令を受けた。

 これを受け、金融庁は05年7月、生保39社に対し、保険金の支払いが必要ないと判断した契約を調査するよう求め、明治安田を除く38社で計約430件の不払いが見つかった。

 その後、損保業界で大規模な不払い問題が発覚し、不払いが特約部分に集中していたことから、生保大手4社は、特約部分を中心に独自の調査を行っていた。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070103it01.htm