フセイン元大統領の出身地ティクリート周辺やバグダッドのスンニ派地域などでは、処刑後から今月2日にかけて追悼集会やデモが相次いだ。ヨルダンやパレスチナ自治区、イエメンでもデモがあった。
携帯電話のカメラで撮ったとみられる処刑場面の映像がインターネットに流出したことも、火に油を注いだ。映像では、立会人らが「地獄に落ちろ」などと叫び、フセイン政権下で処刑されたシーア派指導者らの名を連呼。元大統領は「それでも男か」と皮肉った。
アラブ圏紙アルハヤトは3日「処刑のやり方も時期も、シーア派の報復感情を明確に示している」と論評した。
イラク政府は2日、映像流出の経緯の調査を始めた。立会人の一人だったファルーン検察官は英BBCテレビに2日「2人の高官が携帯電話を持ち込んでいた」と語った。処刑には被害者の遺族も立ち会ったという。