2007年01月01日(月) 08時01分
猪木氏動く 07年大みそか北朝鮮で格闘技ダ〜(スポーツ報知)
大みそか格闘技イベントの元祖、アントニオ猪木氏(63)が、2007年の大みそかに北朝鮮で総合格闘技大会を計画していることを明かした。猪木氏は95年にプロレス大会「平和の祭典」を平壤で開催。しかし現在の日朝関係は、北朝鮮による拉致や核実験という暴挙のため冷えきっている。そんな状況で北朝鮮とのコラボレーションには批判も必至なのだが…。それでも猪木は猪(亥=い)年に、また北朝鮮へ向かう。
すっかり年の瀬の恒例行事となった格闘技イベント。31日もK−1「Dynamite!!」が京セラドーム大阪で、PRIDE「男祭り」がさいたまスーパーアリーナで開催された。しかし、かつて両団体のプロデューサーを務めた猪木氏の姿は、どちらにもなかった。
「今年(06年)の結果(観客動員や視聴率)は見なくてもわかる。いい結果が出るわけがない。新年はニューヨークの自宅で迎えるよ。正月に日本にいないのは、9年ぶりぐらいかな」
もはや自らがかかわっていないためか、盛況を極めた大みそかの格闘技イベントへのコメントは冷たい。すでに猪木氏の関心は、日本国内のリングにはなかった。
「2007年は総決算の年になる。エネルギー開発、食糧問題、クルド人問題…。やることはいっぱいあるが、格闘技も見直す時期にきている。大みそかにただやるだけじゃなくて、平和のイベントとしての位置づけが必要。いろいろ進めているが、まず韓国(06年11月に開催予定も延期)を成功させて、年内に北朝鮮につなげたい」
猪木氏は00年から4年連続で、大みそかに格闘技イベント「イノキボンバイエ」を開催しているが、そのルーツは89年大みそかに旧ソ連時代のロシアで開催した「平和の祭典INモスクワ」だった。「大みそかに北朝鮮」は、その流れをくむ構想だった。
「北朝鮮問題は大変難しいテーマ。何かをやろうとすると批判を受けることもわかっている。簡単に実現するなら、そんなものは夢でも何でもない。でも、だれが何と言おうと、日朝のチャンネルを持っているのはオレだけ」
95年4月28、29日には平壌で初のプロレスイベント「平和のための平壌国際スポーツ文化祝典」を開催し、2日で市民38万人を動員した実績がある。しかし、12年を経て状況は変わっている。当時は拉致問題が“存在しない”ことになっていたが、北朝鮮は02年、正式に拉致を認めた。そして昨年、日本海に向けミサイルを発射する暴挙に出ている。何より当時、猪木氏は現職国会議員だった。
「政治で入って行くとどうしても難しくなってしまう。拉致問題にしても、離散家族問題にしても、民間でもやれることはある。師匠の力道山は北朝鮮では今でも英雄的存在。今、オレはフリーな立場で北朝鮮に行ってるけど、(南北)在日の人が感謝してくれているんですよ」
政府は唯一の公式ルートである6か国協議を通じて、拉致問題の全面解決、核開発阻止、ミサイル凍結を実現し、国交正常化を模索している。猪木氏の行動が日朝関係にとってプラスになるのか、マイナスになるのかは未知数だが、格闘技という枠を超えた戦いになることは間違いなさそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070101-00000002-sph-soci