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2006年12月31日(日) 16時29分

<子供モデル>スカウトされ5万円負担 仕事は1割毎日新聞

 東京都豊島区に本社を置く子供モデルエージェンシー(あっせん会社)が、「スカウト」と称して街頭で親子連れに声をかける勧誘活動を全国的に行っていることが分かった。モデルになる場合、写真撮影費やプロモート(宣伝)費として5万円の負担金を求めている。同社の社長によると、現在、登録している子供は約2万人だが、モデルの仕事があるのは約1割という。街頭で勧誘する従業員は公共職業安定所などで求人しており、モデル業界内からは、「逸材を確保するスカウトではなく、金集めが目的の勧誘ではないのか」と疑問の声が出ている。【子供モデル取材班】
 同社は、CMや商品広告のポスターやチラシなどに登場する子供モデル(15歳未満)を募集。社長によると、全国25カ所に本社・支社などがある。登録期間は1年間で、これまでに登録した子供の数は延べ5万〜6万人に上り、「会社の収入の9割は新規登録者が支払う5万円。(モデルの)仕事があるのは全体の約1割で、約3割が(クライアント側の)オーディションに参加している。約7割には声もかからないが、仕事がないことは保護者に説明している」と話している。
 一方で、「スカウト担当の従業員は全国に130人いる」と話しているが、モデル事務所でスカウト担当の従業員を大量に抱えるのは異例。
 同社の子供モデルの勧誘・登録は、「開発部」が担当。登録までの流れは、(1)従業員が、ショッピングセンターなどで子供連れの親に声をかけ、名前や連絡先を聞く(2)後日、電話で面接の案内をし、希望者は面接に参加(3)面接合格者には電話連絡し、5万円が指定口座に振り込まれると、写真を撮影する(4)撮った写真で、同社は300〜400人分の顔写真を並べたカタログを製作し、登録者に郵送する——というもの。登録の1年間はカタログが到着してからとなる。社長は「面接すれば8割が合格」としている。
 約2年前に長男が登録した奈良県内の女性(31)は「登録期間中、会社から仕事について連絡はまったくなかった。会社の住所変更などの知らせがきただけ。まじめにモデルの営業をしてくれたとは思えない」と振り返る。
 業界団体「日本モデルエージェンシー協会」(東京都渋谷区)に加盟する同区内のモデル事務所の役員は「うちの事務所には400〜500人の子供モデルが所属しているが、8割に年1回は仕事がある。事務所の収入の9割はモデルの仕事で得る出演料だ」と話した。
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