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インターネットオークションに電化製品などを出品し、総額約2300万円を受け取りながら商品を送らず、自己破産を申し立てた北九州市小倉南区の女性(29)について、福岡地裁小倉支部(栩木有紀裁判官)が「取引自体に詐欺的要素がある」として債務の免責を認めない決定をしていたことがわかった。
ネット上での売買が広がるなか、その危険な一面を裁判所が指摘した形で、落札者らは「女性の責任を追及する」としている。
女性は2004年8月ごろから、ヤフー・オークションにパソコンやデジタルカメラなどを市価より安く出品。当初は落札者に商品を送ったが05年1月ごろから滞るようになった。
代金を払ったのに商品を受け取れなかった被害者は関東、中部、四国、台湾など国内外の約180人に及び、女性は同年5月、地裁支部に破産を申し立てた。
同支部の調査に、女性は「ネット上で知り合った『ハラダケイゾウ』と名乗る人物から取引を持ちかけられた」と説明。「ハラダ」から指示された電化製品を出品し、落札代金の7〜8割をハラダ名義の銀行口座に入金すると商品が送られてきた。その後、ハラダと連絡が途絶えて商品が届かなくなったとしていた。
しかし、入金したとする口座は別人の名義で03年で解約されていた。同じ銀行にハラダケイゾウ名義の口座が存在したが、最終取引日は1997年だった。
女性の申し立てに対し同支部は破産手続きの開始は決めたが、今年11月30日、「女性の説明を裏付ける証拠はなく、ハラダから代金をだまし取られたとは認められない」と判断。破産法に定められた免責不許可事由の一つである「虚偽の説明」にあたるうえ、「取引自体に詐欺的要素がある」と指摘し、落札者らへの債務の免責は認めなかった。女性は異議申し立てをせず確定した。
落札した東京都の男性(23)は「被害者の会を結成し、刑事、民事上の女性の責任を追及していきたい」としている。
インターネット犯罪に詳しい紀藤正樹弁護士(第2東京弁護士会)は「破産法の乱用を許さないという裁判所の強い意志を感じる。捜査機関は速やかに事実を解明すべきだ」と話している。