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サッカーのJ1(1部)に来季から復帰するヴィッセル神戸を運営するクリムゾンフットボールクラブが抱える約29億円の債務超過を、オーナーの三木谷浩史会長が個人資金で穴埋めする。Jリーグ側から債務超過の解消を求められているための緊急措置。クラブへのビッグな「お年玉」となるが、赤字体質の根本的な改善にはならない。
神戸の今期単年の赤字は約5億円。J2(2部)に降格した昨年度は、監督交代を繰り返し人件費が膨らんで約10億5千万円の赤字だった。Jリーグで昨年度、赤字だった他のクラブで額が3億円を超えたところはない。
今年度の支出は約21億円。それを上回る29億円を個人のお金で一気に補填(ほてん)してしまうことには弊害もある。三木谷会長の資金力を理由に、企業から支援を断られることもあるという。地元全体で支えようとする意識も薄らぐ。三木谷会長の経営する楽天が経営不振に陥れば、クラブも共倒れしかねない。
クリムゾンの叶屋宏一専務は「(オーナー)1人依存を脱却していかないといけない」と話す。昨年度、神戸の入場料収入は営業収入の2割を超える程度だったが、アルビレックス新潟は4割以上を占めている。来季に向けて観客動員増を目指し、現在69社のスポンサー企業も80を目標に増やしたい、としている。