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今月20日に破産したIP電話会社「近未来通信」(東京都中央区)を巡る投資詐欺事件で、同社は2002年末ごろから、性能が悪く、IP電話の通話の利用率が下がっていた旧式の通信用サーバーを投資家に販売していたことが、警視庁捜査2課の調べで分かった。
同社経営陣は遅くともこの時点で、旧式サーバーからはIP電話の通話料収入の増加が見込めないことを認識しながら、巨額の資金を集めていた疑いが強い。捜査2課では、当時から投資家をだます意図があったとみて、詐欺容疑での同社経営陣の立件に向け、年明けから捜査を本格化させる。
これまでの調べや関係者の話によると、同社は02年12月ごろから、それまで国内外の中継局に設置していたイスラエルの通信会社の技術を採用した通信用サーバーを切り替え、処理能力の高い新式のサーバーを使用するようになった。これによって、同社のIP電話の利用者による通信も主に新式サーバー経由となり、処理能力の劣る旧式サーバーの利用者は減っていた。
しかし、同社は投資家にこうした実態を説明しないまま、「利用者は年々増加し、増えた収入は投資家に還元される」「数年で購入代金を取り戻せる」と言って、旧式サーバーの購入代金などの名目で1人あたり少なくとも約1100万円を集めていた。
同課は、同社経営陣が岐阜県内の30歳代の男性から千数百万円をだまし取ったとして、今月4日から本社など約20か所を捜索したが、この男性が購入させられていたのも旧式サーバーだった。
総務省の調べで、同社の昨年7月期の売上高約181億円のうち、IP電話の利用者から受け取った通話料収入は約3億円にとどまり、投資家への配当は別の投資家から集めた資金をあてる自転車操業を繰り返していたことが判明している。
捜査2課では、同社が利用率の下がっていた旧式サーバーを投資家に次々に販売していたことは、自転車操業がかなり以前から始まっていたことを示す事実とみており、国内94か所の中継局に設置されたサーバー1389台を押収するなどして、旧式サーバーの利用頻度の実態などを調べている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061229i301.htm?from=main3