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飲酒運転は二〇〇二年に厳罰化されたばかり。飲酒事故は昨年まで五年連続で減少し、死亡事故も昨年(七百七件)は十年前の半分に減っている。
ただ、ここ二年間の発生件数は下げ止まりが見られ、警察庁は厳罰効果の限界に危機感を募らせていた。今年八月、福岡市で幼児三人が死亡する事故が発生。世論の高まりを受け、新たな対策として着目したのが、飲酒運転を助長・容認している周囲の責任だった。
従来、飲酒運転者に酒や車を提供した行為は、ほう助罪で摘発していたため、運転者に比べ処分は軽い。しかし、「酒や車の提供が無ければ飲酒運転は成立しない」と同庁幹部。改正試案では、運転者と同等の罰則新設をうたった。提供者も“同罪”というわけだ。
同乗者も「容認した上、自分も家に送ってもらうなど利益を受ける立場にある」として、運転者に近い罰則を設けた。
周囲の責任をめぐっては今年七月、事故を起こした本人だけでなく飲酒した同僚にも損害賠償を命じる東京地裁判決が出ている。
飲酒運転をさせてはならない。その取り組みに職場や地域でもう一度、知恵を絞るべき時期だろう。 (今村実)
■メーカーも工夫を
宇賀克也東京大大学院教授(行政法)の話 飲酒運転による死亡事故が後を絶たない中、罰則強化は当然だ。日本は飲酒運転に対する罪の意識が薄く、周囲もそれを許す風潮があり、ドライバーだけでなく、車両や酒類の提供者を厳罰化の対象にした今回の案は評価できる。一方で制裁の強化だけでは限界がある。自治体が車で出掛ける職員に簡易の呼気検査をしたり、呼気検査にパスしないとエンジンがかからない車を自動車会社が開発したりする動きもある。職場やメーカーが飲酒運転をさせないためのこうした工夫、開発を進める必要もある。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061228/eve_____sya_____002.shtml