2006年12月28日(木) 16時15分
2006年は「イヤー・オブ・ゾンビ」(ITmediaエンタープライズ)
2006年は「ゾンビの年」だった——セキュリティ企業Commtouchは12月27日、このような報告書を発表した。
【表】
ゾンビとは、マルウェアに乗っ取られてスパム送信やサイバー攻撃の踏み台として利用されているコンピュータ。同社の調査によれば、2006年のスパム送信の85%はゾンビマシンによるものだったという。
ゾンビマシンが最も多い国は米国で、全世界のゾンビの21%を占める。2位はドイツで9%、3位はスペイン(6%)、4位はフランス、中国、ポーランド、イタリア(それぞれ5%)だった。
Commtouch Labsの推定では、ゾンビIPアドレスの数は600万〜800万、1日に生まれる新しいゾンビマシンの数は50万、また典型的なボットネットは2時間で1億6000万通のスパムを送信する。
同社の調査では、電子メールに占めるスパムの割合は87%に達し、前年よりも30%増えたという。中小企業ではこの割合は45〜65%だが、無料電子メールサービスでは95〜98%にも上る。
さらに同社は、2006年には画像スパムが「開花」したと報告している。画像スパムとは、スパム対策ソフトを回避するために、文字の入ったGIF画像を利用したスパムのことだ。フィルタリングを回避するために、画像の背景のピクセルのランダム化、枠の色を変える、アニメーションGIFを使うなどの手法を利用している。
こうした画像スパムは大幅に増え、スパム全体に占める割合は前年の10%から35%に拡大したという。テキストベースのスパムよりも容量が大きいため、ネットワーク帯域を大きく消費するという問題も生じている。
Commtouchは、スパムはアンチスパムベンダーが言うほどのペースではないものの増加しており、アンチスパム業界が技術革新競争でスパマーに負けているように見えることが懸念されると指摘している。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061228-00000041-zdn_ep-sci