2006年12月24日(日) 03時04分
<日興グループ>組織的関与認める方針 不正な利益計上(毎日新聞)
日興コーディアルグループは23日、有価証券報告書の虚偽記載に複数の担当社員がかかわり、不正な利益計上に組織的に関与したことを認める方針を固めた。これを受けて金子昌資会長と有村純一社長は引責辞任する見通しで、週明けにも正式に発表する。これまで同グループは「不正な利益計上は担当社員1人が行った」と組織的な関与を否定していたが、責任を社員1人に押し付ける形では組織としての管理体制が問われ、投資家や顧客の信頼を回復できないと判断した。
同グループは、虚偽記載を公表した18日の会見の中で「子会社の投資会社、日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)が04年8月に社債を発行した際に、担当社員が正規の手続きを経ないまま翌9月になってミスに気付き、8月に手続きを完了していたように書類を改ざんした」と説明していた。しかし現在、同グループは「書類を改ざんした社員は1人だったが、それを知っていた社員は複数存在し、それを黙認した管理職や役員の責任が問われないのはおかしい」との判断になった。
問題の社債の評価益140億円が計上されて利益が水増しされた05年3月期決算について、05年4月以降、社外取締役や監査役などから社債の仕組みや利益計上について疑問や指摘が出ていたことも分かった。だが、監査を担当した旧中央青山監査法人(現みすず監査法人)が決算を認める考えを示したため、同グループ内ではそれ以上の追及はなかったという。
同グループの虚偽記載をめぐっては、山本有二金融担当相が22日の閣議後会見で「証券取引等監視委は、日興から『単なる一社員の事務ミスによるものではない』との説明を受けている」と発言。同グループの説明と食い違いを見せていた。【川口雅浩】
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