2006年12月23日(土) 13時02分
県警:巡査部長を懲戒免職処分、収賄容疑で書類送検 逮捕せず、氏名非公表 /群馬(毎日新聞)
◇「逃亡や隠滅の恐れない」
風俗店経営者から現金を受け取っていたなどとして懲戒免職処分となった男性巡査部長(39)について、県警は収賄容疑で書類送検しながら氏名を公表しなかった。「逃走や証拠隠滅の恐れがなく、逮捕していないため」と説明するが、現職警察官による違法行為を非公表とすることが正しかったのか。「身内に甘い」との声が噴出しそうだ。
県警は22日、監督責任を問い、当時の上司の警視正ら10人を本部長注意などの処分にした。
県警によると、巡査部長は風俗店経営者から現金を受け取ったり接待を受けた。調査の結果、情報漏えいなどはなかったと結論付けたが、現金や接待がなぜ断続的に巡査部長にもたらされたのかなど明らかになっていない部分も残された。
また、昨年から巡査部長が方々から重ねた借金は約3000万円に上るという。うち暴力団員から815万円、消費者金融数社から313万円、車などのローンが1072万円もあったという。
県警は、氏名を公表しなかった理由を「逮捕せずに書類送検で済ませる『任意事件』については被疑者の氏名を公表しない」としている。逮捕しなかった点については(1)発覚当初は金の貸し借り的側面が強く、わいろ性が顕著でなかった(2)素直に調査に従い、逃亡や証拠隠滅の恐れがなかった——と説明する。
県警監察官室によると、過去10年間に収賄容疑で書類送検した例は3件あり、いずれも氏名を公表していない。今年7月には高崎署地域課の男性巡査(当時20歳)が同僚の部屋から現金などを盗んだとして書類送検したが、これも氏名を明らかにしなかった。同室は「今回も原則に従い、差し控えた」としている。【伊澤拓也】
12月23日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061223-00000136-mailo-l10