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「では検察官」と小坂敏幸裁判長が論告の朗読を促した。堀江前社長は紙コップの水をごくりと飲んだ。
検察官の朗読が始まると、被告側にも論告の要旨が配られた。前社長はパラパラとページをめくり出し、書かれた内容に時折顔をしかめた。検察官が「堀江被告は自己保身に終始し、『俺(おれ)知らないよね』と口裏合わせを求めていた」などと厳しく指摘した時も、前社長はじっと書面に目を落としたままだった。
検察側は論告で、「堀江被告はグループを統括指揮する立場になかったと弁解しているが、連結営業利益を世界一にという目標を立てて指導統括していた」と主張した。投資ファンドを介在させた自社株売却益の利益計上と、子会社への架空発注のいずれの粉飾でも、「連結経常利益50億円の予想値達成に固執。部下に架空売り上げ計上などを指示した」と、前社長の主導だったと述べた。
そして、「うその弁解に終始しており、一片たりとも反省の情をみとることはできない」と非難。「被告の改悛(かいしゅん)の情の全く欠如した姿勢を見ると、今なお保有する百数十億円の巨額の資産を元手に再度起業した後、今後さらに巧妙な手口により同種犯行に及ぶおそれも大きい」として、厳重な処罰を求めた。
これまでの公判で検察側は、前取締役の宮内亮治被告(39)ら共犯とされるグループ幹部の証言を支えに、前社長が報告を受けて粉飾決算に深く関与していた様子を法廷で再現して見せた。
これに対し、前社長側は、元部下らの証言を「口から出まかせ」などと批判。粉飾の指示をしたり報告を受けたりした事実はないと反論した。また、自身が実は社内で弱い立場で、前取締役の力が大きいことを示す発言を繰り返し、検察側による「堀江主導」の構図を突き崩そうとした。
公判は、次回の来年1月26日に弁護側が最終弁論を行い、早ければ2月中にも判決が言い渡される見通し。
http://www.asahi.com/national/update/1222/TKY200612220214.html