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厚労省は、海外で広く使われている薬が国内で使えない「ドラッグ・ラグ」の改善に向け、平均2年の審査期間の1年への短縮を目指している。アリムタはすでに約80カ国で承認済みのうえ、進行すると治らず、他に有用な治療法もない病気の薬に適用される「優先審査」の対象にもなり、承認がさらに早まった。
アリムタは今年6月、日本イーライリリー(神戸市)が承認申請。肺がんなどに使う抗がん剤「シスプラチン」と併用する。シスプラチンを悪性胸膜中皮腫に使うことは別のメーカーが申請中で、同時承認の見通し。
同社によると、海外20カ国計448人が参加した治験で、アリムタとシスプラチンの併用療法は、シスプラチン単独療法に比べ生存期間が約3カ月延びた。副作用の発生は白血球の減少が約20倍、嘔吐(おうと)が約4倍など。国内の治験では、19人のうち7人に腫瘍(しゅよう)が縮小する効果があったという。
厚労省はアリムタについて、副作用に加え日本人の症例も少ないため、市販開始後、同社が全症例を調査することを条件に承認する見通しだ。
アリムタは04年2月に米国で承認され、日本の患者団体や学会などが厚労省に承認を要望していた。中皮腫に詳しい名取雄司医師は「完治するわけではないが、延命効果のある薬が承認されるのは喜ばしい。今後はいかに副作用を出さずに使用していくかを考えていかねばならない」と話す。