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どの家庭にもパソコンが複数台ある時代になった。持ち運びのできるノート型は、台所やソファなど好きなところで使えると便利。でも有線のLANは配線が面倒だし、無線LANは設定が複雑。そこで屋内の電灯線を使って煩雑な配線を最小限にする「電力線通信(PLC)」アダプターを試してみた。(吉田典之)
PLCは、自宅の電灯線をデータ通信用に“拝借”することで、屋内のLANケーブルの敷設を不要にしてくれる。
設置はとても簡単。2台1セットのうち、親機を電源コンセントにつなぎ、LANケーブルでADSLモデムやルーターなどと接続する。
次に、子機の電源コードをコンセントに挿し、LANケーブルで、インターネット接続したいパソコンとつなぐ。通信の暗号化など必要な設定はすべて自動的に行われ、子機には、正常な接続を示す青色のLED(発光ダイオード)が点灯する。
インターネットの契約は従来通り必要なので注意が必要だ。
STEP2 配線によっては減速松下電器が今月9日発売したアダプター「HD—PLC」は、理論上の最大通信速度が毎秒190メガ・ビット。家庭までの回線が光ファイバーでも、十分な性能だ。
電灯線を経由して実際にどれほどの速度が出るのか。公式サイトの説明に従い、速度を測ってみる。「セットアップ」ボタンを押すと、LEDが数秒間点滅、結果を表示する。点灯が1個だと毎秒10メガ・ビット未満、2個なら毎秒10〜30メガ・ビット、3個なら毎秒30メガ・ビット以上だ。
自宅の2階に親機を設置し、各部屋で測定したところ、ほとんどの場所で2個が点灯した。分電盤を介するなど、電灯線の配線が別系統の場合などは、速度が落ちることがあるようだ。
STEP3 電波障害に注意通信速度を測定できるウェブサイト(gooスピードテスト)で、インターネットの速度も測定してみた。ADSL回線で直接接続の場合で毎秒2・64メガ・ビット。アダプターを介しても、ほぼ同じ数値だ。掃除機やドライヤーは、モーターからの雑音が通信に悪影響を与えるとされるが、掃除機をかけても速度は変わらなかった。
一方、PLCが他の通信機器に障害を与える可能性には注意したい。壁の中の電灯線が送信アンテナとなって、不要な電波を放射しやすいためで、短波放送が聞き取りにくくなったり、近くの医療機器に影響を及ぼすこともある。PLCが原因で近隣で障害が起こった場合には、最悪の場合、使用中止が求められる。
記者の感想
設定は一切不要で、非常に便利。家電感覚に近づいた。将来はエアコンや冷蔵庫など家電機器にも搭載される予定で、ネット家電時代の到来を予感させる。一方で電波障害が起きた時の通報、対策の確立も求めたい。
どの部屋からでもネットPLCアダプター
電灯線をケーブル代わりに使って、無線LANのようにデータのやり取りができる。家の電源コンセントにつなげば、どの部屋からでもインターネットを使える。最大190Mbpsの通信速度なので、大容量の動画でもスムーズに送れる。最大で同時に15台までつなげることが可能。 松下電器産業 実勢価格2万円前後。
高速電力線通信推進協議会
東京電力や関西電力など50社が会員となって、PLCを推進する協議会のサイト。PLCの仕組みはもちろん、少し難しい技術の解説や問い合わせの多かった質問の回答もある。URLは、http://www.plc-j.org/
(YOMIURI PC編集部)
PLCってなに?<モニ太のデジタル辞典より> PLC(ぴーえるしー):電気を送るために使っていた従来の電力線を、インターネットなどのネットワーク通信にも使うという技術です。(12月5日) <PLC(電力線通信)に関するニュース> PLCを「電波妨害」と提訴…無線愛好家(12月8日) 一筆経上「通信環境 埋まらぬ格差」:PLCは、現行の光ファイバー・サービスを上回る最大200メガ・ビットの通信速度を誇る。(11月30日・マネー経済) 「KDDI、“コンセントでネット”来月開始」:一戸建ての家庭を対象に、サービスを12月9日から始めると発表した。(11月29日) 大手町博士のゼミナール「高速電力線通信」:電線で電気と一緒に大量の情報を送受信しようというのが高速電力線通信なんじゃ(4月11日・マネー経済)