悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年12月17日(日) 00時00分

かつての不倫相手が近所に…読売新聞

 50代女性。かつて交際していた男性についての相談です。15年前、一回り年下の外国人の男性と恋に落ちました。彼は私たちの出会いを運命だと言い、私も心からそう思いました。でもその時、私には夫がいました。夫は私をとても大切にしてくれていました。彼が「夫と別れられる?」と聞いてきても、返事ができませんでした。

 私たちは偶然転勤になり、彼はやがて別の女性と結婚しました。しかし夫はその後病に倒れ、亡くなってしまったのです。私は夫の死後、体調が悪く、うつ病の治療を続けています。外にはほとんど出ません。

 つい先日、あの彼が離婚して、近くに暮らしていることがわかりました。今でも私の心の欠けた部分を埋めてくれるのは彼しかないと感じています。でも冷静に考えれば、彼が私のところに戻ってくることはないのもわかります。

 迷路をさまよっているような毎日です。彼は、私の手をすり抜けていった心のかけらです。どうすれば彼を忘れられるでしょうか。(愛知・A子)

 淡々とつづられたお手紙の行間からあなたの気持ちがあふれていて心を打たれました。

 こうしたいという気持ちと、しなければいけない気持ちの葛藤(かっとう)の中で、必死に生きてこられたのですね。今あなたがうつ状態に陥ったのは、心のエネルギーが外に向かなくなってしまったからでしょう。

 「どうすれば彼が忘れられるか」というご相談ですが、あなたは忘れることを望んでいるのでしょうか。迷路をさまよっていると感じるあなたには二つの道があります。一つは現実的に彼に再会するという道。でもあなたはそれを望んでいない。彼との恋は15年前のその時にしかできない唯一無二のものであることにあなたは気づいている。

 とすればあなたの心の葛藤と今の感情をアートという形に変えて表現していく道があります。葛藤を変容させていくのがアート。あなたはそのエネルギーをお持ちだと感じます。心の中に閉じこめたエネルギーを文章として表現し、外に向けていくことをお勧めします。

 (海原 純子・心療内科医)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/danjo/20061217sy31.htm