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[携帯電話業界]「誇大広告に下った公取委の処分」
激しい競争を繰り広げている携帯電話・PHS各社の広告戦略に「待った」がかかった。
公正取引委員会が12日、景品表示法違反の恐れがある紛らわしい広告を出したとして、ソフトバンクモバイルに警告した。
KDDI、NTTドコモ、ウィルコムの3社については、悪質性がやや低いとして、警告より軽い注意処分とした。
消費者が商品を選ぶ際、重要な判断材料となるのが広告だ。その内容が不適切では、消費者の信頼が揺らぐ。
誤解につけ込んで契約を取るのは、明らかなルール違反である。4社は大いに反省し、今後は、正しい広告の提供に努めなければならない。
10月下旬に始まった携帯電話の「番号持ち運び制度」が、混乱の発端だった。ソフトバンクモバイルが、シェア拡大の好機と攻勢をかけた。その際の広告が問題とされた。
「通話、メールが0円」と大々的に宣伝したが、実際には様々な条件をクリアする必要があった。広告には条件が明確には表示されていなかった。
業界3位と劣勢で、焦りがあったのかも知れない。だが、それは言い訳にならない。テレビCMなどを見れば、タダで電話やメールが使えると勘違いする人が出ても不思議ではない内容だった。
ソフトバンクモバイルは、来年1月15日までに契約すれば、基本料金を7割引きにする戦略も打ちだしている。
今回は不問にされたが、期限以降も割引を続ければ、それ以前の契約者をだましたことになる。その場合、公取委は再び警告などの対象にするという。
公取委は、KDDIなど3社の広告でも問題を指摘した。割引制度を使えば基本料金がすぐ半額になるように思わせたり、使い残した無料通話サービスの繰越額に上限があるのに、適正に表示しなかった、などの点だ。
KDDI、NTTドコモは、ソフトバンクモバイルの広告を声高に批判していたが、何のことはない、自らにも問題があったわけだ。
携帯電話の料金プランは複雑なうえ、パンフレットの説明文などもわかりにくい。携帯電話業界で話し合い、消費者が比較しやすい料金表示方法などを導入すべきではないか。
番号持ち運び制度は、業界に刺激を与え、欧米に比べて割高とされる料金の引き下げを促すのが狙いだ。だが、真の値下げ競争はまだ起きていない。
携帯電話・PHS各社は、ズバリ安くて簡明な料金を早急に提示し、消費者の期待に応えるべきであろう。