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ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発、インターネット上で公開し、ゲームソフトなどの違法コピーを手助けしたとして、著作権法違反(公衆送信権の侵害)ほう助罪に問われた元東京大大学院助手金子勇被告(36)(求刑・懲役1年)の判決が13日、京都地裁で言い渡される。
違法ファイルの交換を横行させただけでなく、ウイルスの感染により、政府や企業などのデータ流出が問題になったウィニーの開発者に対する司法判断が注目される。
天才プログラマーが著作権法に挑戦するため、確信犯的に匿名性の高いソフトを開発、ネット上で配布した——。これが公判で検察側が描いた構図だ。一方、弁護側は、ウィニー開発は「効率性の高いソフトを独自に求めただけ」とし、配布は開発研究の一環で「運用の可能性を探るため」だったと主張した。
また検察側は、「金子被告は、ウィニーが著作権侵害に利用されていることを十分に認識していた」として、ほう助罪が成立すると主張。これに対し弁護側は、「違法利用の可能性をもってほう助が問われるなら、文書偽造に使われる可能性のあるコピー機や、人の殺傷の可能性のある包丁の製造・販売などにまで広がる」と反論した。
ファイル交換ソフトの開発者や提供者が、著作権侵害に絡んで刑事責任を問われた例は国際的にも珍しく、台湾と韓国に3例あるだけ。うち台湾と韓国の各1件では「違法利用の認識だけでは著作権侵害のほう助にならない」と無罪、台湾の別の1件は「著作権侵害の予見性があった」と有罪になり、判断は分かれた。