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佐藤栄佐久前知事ら県内で逮捕者6人を出した一連の事件の解明の場は法廷に移された。競売入札妨害罪に問われた、県内建設最大手「佐藤工業」前会長の佐藤勝三被告(67)の初公判が8日、東京地裁で開かれた。検察側は、佐藤前会長が深く談合に関与していたと指摘し、県発注工事の談合構造にも切り込んだ。佐藤前会長は談合への関与を認めたものの、起訴事実の一部を否認。捜査への不満も述べた。
「(受注調整への)関与が間接的なので、談合にあたるのかどうかは裁判所が判断して欲しい」
佐藤前会長は弁護側の被告人質問に、そう答えて、逮捕、起訴への不満をにじませた。
談合への関与については認めた上で、佐藤工業を含む8社で行われたとされる、流域下水道工事の受注調整に「自分は参加しておらず、ほかの業者に会ったり電話したりしたことは一切無い」として、直接的に関与していないことを強調した。
また、受注調整を担当する社員に対し、指示したり、報告を受けたりしたかと弁護人に問われると、「記憶にないが、担当者がそのように言っているなら、そうなんだろう」と述べた。
共謀したとされた、設備会社社長の辻政雄被告(60)競売入札妨害罪で起訴について「十数年前に会っただけ」とし、東急建設東北支店の元副支店長門脇進被告(63)同罪で起訴についても「全然分からない。面識もない」と主張した。
さらに、検察側が談合した場所として指摘したゼネコンの東北支店についても「行ったことがない。今もどこにあるかも分からない」とした。
佐藤前会長は公判後、裁判が結審しなかったことに触れ、「会社のためには早く裁判が終わった方がいい。困ったな」と話し、「逮捕はまるっきり不服」と、改めて捜査への不満を述べた。
検察側は法廷で、福島県の「談合構造」を詳述した。県が発注する大型工事は、地元業者同士の談合と、仙台にあるゼネコン東北支店の担当者らによる談合の二つの流れで、落札業者が決まっていたと指摘。地元業者の仕切り役として、建設業協会の会長だった佐藤前会長がその中心にいたという構図を描いた。
検察側の冒頭陳述などによると、地元業者たちは、工事の現場が、建設業協会のいずれかの支部の受け持つ区域に限定される場合は、そこの支部長が仕切り役となり、受注調整を行っていたとする。複数の支部にまたがる大型工事では、協会の会長自らが仕切り役となって各支部の支部長らとの話し合い、本命業者を決定していたとする。
佐藤前会長は同協会会長だった01〜05年、支部をまたぐ大型工事の談合を仕切ったほか、協会の県北支部の区域の工事について、佐藤工業の業務担当者に談合の差配をさせていた、とした。
また、ゼネコン側の談合の構図では、ゼネコンが、受注希望を、佐藤前知事の支援者だった、辻政雄被告に伝え、辻被告が前知事の実弟の佐藤祐二被告(63)競売入札妨害罪と収賄罪で起訴に「天の声」を確認し、本命業者に伝える仕組みになっていた、と指摘した。
門脇被告の初公判は11日に、辻被告の初公判は14日に、それぞれ東京地裁で開かれる。
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000612090005