悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
八峰町八森にあった旧発盛(はっ・せい)精錬所で、戦時中に徴用され強制労働させられた朝鮮人の埋葬跡が見つかったと、調査にあたった市民団体が8日、発表した。ただ、埋葬跡であることを明確に示す証拠は見つかっていない。
調査したのは、県朝鮮人強制連行真相調査団。野添憲治事務局長が入手した旧厚生省の資料によると、同精錬所では朝鮮人約200人が強制労働させられていたという。
近くの寺の住職の「終戦後に朝鮮人が帰国する際、精錬所付近でお経を唱えた」との証言があるといい、数年来にわたって朝鮮人労働者の墓を探していた。
「埋葬跡」が見つかったのは、日本海に近い精錬所跡地の一角。元社員の私有地だった場所で、枯れたつる草などに覆われた一帯に、黒い岩が20個以上あった。
「海岸にある岩ではない。墓標代わりに持ってきたのではないか」と野添事務局長。
岩の置き方が、小坂鉱山などの朝鮮人労働者の埋葬跡に似ているという。
来春には草を刈って調べ直し、韓国政府に働きかけて身元調査に取り組みたいという。野添さんは「60年以上もこんな荒れ地に埋められていた。お墓らしくしたい」と話している。
ただ、朝鮮人労働者の墓かどうかはっきりした証拠はない。
同町では「近くに火葬場があり、海に漂着した遺体などを焼いて無縁仏として埋葬することはあったようだ。強制連行まで踏み込んだ郷土史がなく、真偽はわからない」としている。
発盛精錬所は「椿鉱山」として開山。明治末期には日本一の銀の産出量を誇ったが、産出量が減り、戦時中は精錬所として使われていた。
県内では1945年、大館市にあった花岡鉱山で中国人が虐待や過酷な労働に耐えかねて蜂起し、多くが虐殺される事件が起きた。同調査団は「戦時中、県内の73事業所で強制連行があった」としている。
http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000000612090001