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2006年12月09日(土) 00時00分

「ワンマン」に疑惑の渦朝日新聞

 安藤忠恕・前知事は「改革派」を自任し、6期24年に及んだ前県政にはない新鮮さを打ち出そうとした。知事交際費の公開範囲の拡大、財政難を受けた自身の給料カット、女性副知事の起用……。一方で、就任直後から様々な疑惑が取りざたされてきた。

 安藤前知事は県北部の日向市出身。宮崎大を卒業し、64年に県庁に入った。一度も外局に出ることなく、総務部門中心の「エリートコース」を歩んだ。

 人なつっこい笑顔で調整力に定評があった半面、「ワンマン」「人を信用しない」と見られることも。幹部になっても、秘書に任せず自らコピーを取り、「自分の思い通りにやりたいから」と話していた。

 98年、商工労働部長を最後に県庁を退職。翌年の前々回知事選に政党の支援を受けずに立候補し、6選を目指した現職に惨敗した。その後もミニ集会を約1800回開き、03年の前回知事選に再び挑戦。引退した現職の後継候補を破り、「草の根選挙の勝利」と報じられた。

 就任から約1カ月後、幹部職員36人の異動を内示。知事選の対立候補に近いとされた総務部長を左遷するなどし、「古典的な報復人事だ」と庁内から批判も上がったが、記者会見では表情を変えずに「適材適所です」と答えた。

 04年6月、知事選前に後援会幹部に便宜供与を約束する念書を書いたとされる公職選挙法違反の疑惑が浮上。今年9月には、今回の談合事件で逮捕された「政治指南役」の元国会議員秘書に不明朗な資金を提供した「5千万円問題」が発覚した。

 県警の捜査が進むにつれ、知事とこの元秘書、それに特定の業者とのただならぬ関係が明らかになっていった。

 「責任を取って辞職はするが、官製談合事件にはかかわっていない」。県民に納得のいく説明がないまま、前知事は潔白を強弁し続けた。そこに、改革派のイメージはなかった。

http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000612090002