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11月16日に大阪府で異常発熱が起きた三菱電機の携帯電話の電池パック(NTTドコモ提供)
記者会見で明らかにされた、異常発熱があった電池パックの画像=7日午後、東京都千代田区で
電池パック不具合の記者会見で、頭を下げる(左から)河野保範・三菱電機NTT事業部副事業部長、伊藤善文・三菱電機副社長、石川國雄・NTTドコモ副社長、富永寛・NTTドコモサービス品質部長=7日午後、東京都千代田区で
電池の過熱するメカニズム
ドコモによると、回収対象は、三菱電機製のD902i用として05年11月から今年5月まで約130万個が製造出荷された電池パック「D06」。6月に発売されたFOMA後継機種の「D902iS」の一部でも使われている可能性がある。
この電池は三洋電機の子会社によるOEM(相手先ブランドによる生産)供給だったが、今年8月以降、全国で18件の破裂や異常過熱の事故報告があった。大阪府では11月24日、充電中に電池が破裂し、女性が足に軽いやけどを負った。破裂に至らない場合でも、電話機を置いた机やじゅうたんが焦げたケースもあった。
三菱電機によると、電池内部の電極が製造工程の欠陥で変形し、絶縁シートに亀裂を生じていた。使用中の電池に外部から傷やへこみができる程度の力が加わると、充電を繰り返すうちに亀裂が拡大。内部でショートし、異常発熱や破裂につながるという。破裂の際、電池内部の温度は化学反応で500度近くに達するという。
D902iは05年11月の発売直後から06年5月までに、「電池が異常に熱くなる」という苦情が計11件寄せられていた。三菱電機と三洋電機が調査したところ、電極を曲げる工程に欠陥を発見。5月出荷分の一部から製造装置を改修するとともに、電池内部で二重絶縁する対策を施した。一方、利用者には個別に電池交換に応じただけで、公表や回収措置はとらなかった。
記者会見した三菱電機の伊藤善文副社長は「当時の調査の結果、製造ミスでできる絶縁シートの亀裂ならば、発熱しても人体に影響があるとは考えなかった。外部からの衝撃で亀裂が広がり、破裂する可能性を予測できなかったのは判断ミスだった」と説明した。
ドコモは交換用電池の確保のため、FOMAの最新機種「D903i」とD902iSの販売も中止する。富士通やNEC、モトローラなど5社も三洋電機から電池の供給を受けているが、電池の構造が違い、同様の問題は起きないという。
今回発売中止となったD903iは、11月中旬に発売したばかり。10月に始まった番号持ち運び制はKDDI(au)の一人勝ちの様相で、ドコモは苦戦を強いられているだけに、今回の回収問題の影響は大きそうだ。経営再建中の三洋電機にとっても電池事業は稼ぎ頭で、再建計画に影響が出る可能性もある。
http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200612070300.html